正倉院の織物の研究などの実績を買わた髙尾 弘 氏は、名古屋市の徳川美術館から「黄金のねん金袱紗」の復元を依頼。
500年以上も経過している袱紗は劣化損傷が激しく非常に困難な作業だったそうです。
糸を紡ぐところから始め、一歩一歩行程を経て、5年の歳月を経て見事復元に成功しました。
その成果により真綿の糸に金箔を巻きつけて金の糸を作る『ねん金』の技法を現代に昇華させました。
真綿の糸を様々な色に染め、その色糸に金色銀色など様々に輝く箔を巻きつけてつくり上げる『ねん金糸』。
「糸の太さに差異の出る手引きの糸を使うことによって、細いところには隙間なく箔が巻きつけられ、太い部分は箔が巻ききれなかった部分の色が表れます。
1本の糸の中に輝く箔の部分、色の部分と両方の色を持った糸。
その糸により織られた作品は、複雑な色合いを持ち、また光によってよりいっそうその色彩は輝きを放ちます。
1本の糸の中に輝く箔の部分、色の部分と両方の色を持った糸で織られたねん金綴錦は複雑な色合いを持ち、また光によってよりいっそうその色彩は輝きを放ちます。
それは、東洋の繊細な金糸の美しさと西洋の金属の豪華さの両方の特色を併せ持った織物として内外から高く評価され、桝屋髙尾の代表的な作品となりました。
※「桝屋髙尾」ホームページより抜粋