2024.05.20
「白たかを知ろう!」が終わって・・・
◆ある意味マニアックでした~
「白たかを知ろう」
無事終了しました
3日間と短い開催でしたがたくさんの方に来ていただけて本当にうれしかったです!
恥かしながら・・・
"良く分かっていなかったから"企画したのですが、まあ面白かった!
白鷹町では昔から農閑期の仕事=織という事で効率よく作る為に"板締め絣"しているとか、板締の材料は樹齢100年以上の楓の木でなくてはならないとか、山形県の無形文化財で代表的な"白たかお召"はおる人が少ないので月に3反しかできないとか、それだけでは成り立たないので綾織りや紗織の八寸や雪花織の九寸を織っているとか・・・
このように羅列すると苦労話しのようになってしまいますが、技術をいかに伝えていくか?という事だと思いました
特に興味深かったのは"板締め絣"
肝になる板も色々な木で試したそうです
ですが、割れたりきちんと防染できなかったりと・・・
合成樹脂でも試したようですがやっぱり・・・
◆玉枝が板締め絣を作る道具のミニチュアです
勝手な想像なのですが、昔の方たちは自然と共に生きていた、失敗もあったとは思いますが木の性質なんかにも理解していて"これにはこの木が良い"みたいな感じだったのかなぁ・・・と
ただの道具としてでなく、その時代のその地域の歴史なんかも感じられて・・・
ノスタルジックな気分にさせてくれますねぇ・・・
今回お招きした「佐藤織物」さんの誠一郎さん、お話ししていたらご自身からお家を継ぐと決めたんだとか
この業界の方は、皆さん苦労したのでお子さんには進学して良い会社に入って欲しいと
ただ、気が付くと跡を継いでくれる人がいない・・・
いろんな理由があるとは思いますが、後継者がいない理由の一つかもせれませんね・・・
かと言って強要することはできませんが・・・
話しを戻して、誠一郎さんに「なぜ継ぐことにしたんですか?」と尋ねたら・・・
「もったいないから」
「せっかく続けてきたものをなくしたくないと思って・・・」
めっちゃ感動・・・(ノД`)・゜・。
◆座繰糸で作られている「古代米流」
そんなお家のお仕事、悪いわけがない!
改めて用意していただいたお品を見ていくと・・・
資料的なお品
"座繰糸"で織られた「古代米流」の着尺
今の"板締め絣"は経糸は同じもので緯糸で柄を変えているのだとか
ちなみにことらは経糸だけで最低でも5柄!
ただし、当時作っていた板が無い為どんな柄でどんなふうに作っていたかは不明なんだそうです
◆こちらは細かな"蚊絣"!
もう一つ
"座繰糸"で織られた「古代米流」の"蚊絣"の着尺
ちなみに横に300の絣!
しかも2色!
手ぐくりでも大変でしょうが、この絣を作っていた板って・・・
単純な想像では薄い板に線のような溝が掘って合って・・・
どちらももう作る事はできない・・・
そんな貴重なものを拝見できて触れるなんて・・・
◆花織の所に「白鷹天蚕」の糸を(手前は白鷹天蚕繭)
こちらは白鷹町で育てられてる「白鷹天蚕」を柄の部分に使った「雪花織」
自然な色、とってもきれいな色~
もちろん「佐藤織物」さんで織られてお品
◆花織の所に「白鷹天蚕」の糸を(手前は白鷹天蚕繭)
そしてこちらは"たつみ綾"の着尺
なんでも「東北出羽屋」石山さんがお客様の要望から作る事になったんだとか
綾織りにはいくつもの柄があるのですがその中でも"たつみ綾"は使う糸が非常に細く織る時の打ち込みも均一の力を入れなければ横段になってしまうんだとか・・・
3年ほど前にやっと商品化できたそうです
"たつみ綾"を織れる織り手さんは全国にもそんなにいないんだとか・・・
細い糸を用いることで輝かしい発色と柔らかものと間違えるほどしなやかな生地合い・・・
ちょっと興奮しすぎました・・・
「佐藤織物」さんに出会えてよかった~
またいつかお呼びする予定ですのでその時もぜひお越しいただければ・・・
まだまだ知らないことが沢山あります
そんな出会いを求めてこれからも皆様と楽しみたいと思います!
叶や 桑原