2023.03.20
【 竺仙~長板染の世界~ 】にて
◆今回の"押し"は「長板本染中形小紋中形」!
久しぶりの独り言。
今回は【 竺仙~長板染の世界~ 】を開催してのことを。
今回この会を企画したのは、改めて「竺仙」さん、「長板染」に焦点を当ててみようと担当の近藤さんと話をしたことからでした。
毎年6月に「とうかさん」があるので3月に「ゆかた発表会」をしていました。基本的には「注染」のお品が中心でした。
しかし近年の新型ウィルスの影響もあり「とうかさん」も花火大会も中止ということで私どもも取り揃える量を縮小していました。
辛かったですねぇ・・・ (~_~;)
そんな中、お客様はあえて"夏着物"のご要望がチラホラと・・・
板場に生地を張って型染をする「長板染」は言わば夏の小紋のようにお召しいただける・・・
ただし、よ~く考えてみると「長板染」を取り上げて買いをしたことがないな・・・と。
それで今回の会を開催する運びとなりました。
◆「竺仙」さんのお品にしかついていないという「文化財愛護シンボルマーク」!※文化庁のホームページより
開催して"あ、な~んも知らない・・・"ということに気づかされました。
"一押し"の「長板本染中形小紋中形」。
表・裏に狂いなく型置きをされたお品。
単純に裏を付けないので裏地感が出ないようにと勝手に解釈してました・・・
実はそうではなく、柄をくっきりさせる、微妙な濃淡を表現するため・・・
そしてこれが江戸後期から伝わるゆかたの染め方なんだということも・・・
「竺仙」さんの一部お品に"斗栱のマーク"というのがついてる?
今まで「竺仙」さんのマークだと・・・
近藤さんに教えてもらったのは、その昔から変わらない技法や道具を使って作られるものに浸けれるのだとか。
※申請事項だそうです。
◆近隣の史跡がある通りの標識にも同じマークがある!
近藤さんが来られてた時の食事に向かう途中の道路標識に同じものが!
全く気が付かなかったぁ・・・
文化庁のホームページを検索すると・・・
文化財愛護シンボルマークは,文化財愛護運動を全国に推し進めるための旗じるしとして,昭和41年5月に定められたものです。
このシンボルマークは,ひろげた両手の手のひらのパターンによって,日本建築の重要な要素である斗栱(ときょう=組みもの)のイメージを表し,これを三つ重ねることにより,文化財という民族の遺産を過去,現在,未来にわたり永遠に伝承してゆくという愛護精神を象徴したものです。
◆「松煙染小紋」と「奥州小紋」に染められた「鬼灯」柄!
ただ単に"こだわってます~"というレベルではないのですねぇ・・・
そのことを知るとお品を見る目が変わります。
寸分違わぬ型置きで作られる「長板本染中形小紋中形」。
どこが型継ぎかついつい"粗探し"・・・
それより表と裏の柄位置に狂いがないところ・・・スゴイ!
「松煙染小紋」や「奥州小紋」にしても地色を染めるだけでなく所々にアクセントになるように色を挿して・・・細かいなぁ・・・
「竺仙」という名前=ブランドの"心意気"と"本物"へのこだわりを改めて知らされた気がします。
私どもはその作り手の想いと一緒にお品を皆様にご紹介するという責任を感じました。
まだまだ知らない事ばかり・・・
日々是勉強ですねぇ・・・ (´-ω-`)
叶や 桑原